KAJILESS

家事をレスに。

お人形2体を供養した話。物を手放すのはつらいことも多いはず。そんな影の部分が、ないがしろにされていると感じます。

f:id:kroless:20180225163622j:plain

娘がいれば、ほぼ必ず生じる問題です。
子が成長したら、お人形をどうするか。
今、悩んでいるお母さんの一助になれば。

物をへらすということは、正直しんどいものです。

断捨離やミニマムな暮らしは
メリットが強調されてばかりで、
モノを減らしつくした私ですら
若干の違和感を感じます。
しんどい部分が
置き去りにされている気がして。

私は何年もの間、
お焚き上げにお世話になりました。

そのなかの1つ、人形供養。
Webに数多く情報はあるものの
実体験が少なく感じたので、
私が実際にした供養やその背景を
書いてみます。

娘が生まれれば、子育て人形もやってくる。

娘が小さいとき、
義母がお人形を買ってきました。
ぽぽちゃんとメルちゃんです。

なぜに2体。なぜに別ブランド。
と思いましたが。

娘は、お人形とお風呂に入り、
化粧をほどこし、髪の手入れをし
激しく 遊びました。

娘が入園し、子育て人形を卒業する。

結局、2年も遊んだでしょうか。
幼稚園の年中さんにもなれば
関心も薄れ、床に置き去りです。
家の外に友達ができた証であり、
成長の一環でもあり、
仕方のないこと。

人形の状態が良ければ
譲ったり売ったりもできますが、
何しろ娘は全力で世話をしたのです。

一体は、手直しが一切きかない
仕上がりのぱっつんボブに。
もう一体は目が開かなくなり
なぜか唇も黒ずんで、
アイラインの書き損じか
額からほほに縦の黒線が走り、
大槻ケンヂさん状態なのでした。

これではとても人様に譲れません。

思い出が変質していく。それがしのびなかった。

自分のモノは手放せても、
人形はそうはいきませんでした。
結局、娘が遊んだ数年よりも、
その後の放置時間の方が長かった。

お直しに出すべきか、
いや直したところで遊ばないし、
むしろこれは直らんぞと悩みつつ
家中のモノを減らしていたところ、
東日本大震災がおきました。

震災後、
復旧した仮設の学校に通い始め、
1年経ったころからでしょうか。
娘が人形やぬいぐるみを
ちょっと怖れはじめます。

学校で色々な話を聞くようです。
感じるものもあるのでしょうか。

思えば、
お墓にも供養塔にも瓦礫の跡地にも
お人形が供えられていた時期。
あの被災地の空気は独特でした。

小さい頃、
無心に遊ぶ姿を見ているから
余計につらい。
娘も、人形も可哀相に思いました。

この頃から、真剣に
お焚き上げを検討し始めます。

そしてお別れのとき。

結局それから一年以上も経って、
やっと供養することに決めました。

お寺に電話し、お布施をして、
箱に布を敷きつめました。
白い布で人形の体を覆い、
お菓子と造花と共に納めます。

そして最後に抱き上げたとき、
壊れて今まで開かなかったはずの
人形の目が突然開きました。

目と目が合って、涙が出ました。
あの心境は、よく解りません。
悲しみ、後悔、罪悪感、不安、畏れ…

でも結局、
封をして、お寺に託したのです。
娘には酷だと思ったので、
私一人で見送りました。

お人形で遊ばなくなってから、
5年以上経っていました。

当時の心境としては、供養するしかなかった。

祖母が亡くなって
遺品整理の時に感じたこと。
痛みの大きさは異なりますが
人形供養も
痛みの種類は同じに感じました。

 

そもそも、
私が買い与えたかったところを
義母が2体も買ってきた人形です。
私は、苛立ちを感じこそすれ、
特別な思い入れは無いはずなのです。

それでもやはりモノと違って、
人形やぬいぐるみを手放すのは
痛みを伴うものです。

 

では、
人形供養は間違いだったかというと
そうは思いません。

確実に言えることは、
もし供養しなかったら、
箱に入れたまま納戸の奥へ追いやり
そのまま死蔵されるでしょう。
罪悪感と畏れを抱えながら。

供養するのが正答かどうかも
判りませんが、
そうするしかなかった、というのが
正直な私の気持ちです。 

 

娘たちには負わせたくない。これが私が手放す理由。

焼却も火葬も結果は同じかもしれない。
でも、
お布施をし、魂抜きをして火葬すれば
人と同じように空に還れたと思いたい。

数年を費やして
人形に真摯に向き合った結果が
私の場合、お焚き上げでした。

 

実はまだ、バービー人形があります。
これは私が母に買ってもらったもので、
私も娘も遊んだものです。
一度手放そうとしたら娘が拒んだのと、
状態も良いのもあって、保管しています。

今後、どうなるかは判りませんが、
もし手放すときがきたら、
私が責任をもって供養します。

 

そして
私がおばあちゃんになったときは、
安易に孫に人形を買い与えず、
娘や息子のお嫁さんと相談の上、
あげるとしてもぬいぐるみに
したいなと思っています。

(ボケて忘れなければ…)

 

本当は、
人形を買ったり、譲り受けたら
葬る覚悟が必要なのだと思います。

少なくとも放置したり、
子に譲る体で押し付けちゃダメだ。

子どもに
介護や墓守を負わせたくない。
それと同じぐらいに、
モノを押し付けちゃダメだ。

 

ただただ、娘には負わせたくない。
本当に、しんどかったです。